出産準備品リストに調乳ポットが載っていますが、いらないという声も聞いて買うか迷っていませんか。できれば出費を抑えたいし、家にある電気ケトルでなんとかなるなら買わずに済ませたいですよね。

調乳ポットは、70℃以上のお湯をすぐ用意できれば、なくても大丈夫です。家にある電気ケトルと、沸かしたお湯を入れておく魔法瓶の水筒があれば代わりになります。

この記事では、調乳ポットを買わずに夜中のミルク作りを乗り切る方法と、買ったほうが楽になる家庭の特徴をお伝えします。温度設定できるケトルやポットで代用するときの、保温温度の注意点もわかります。

調乳ポットはいらないか

調乳ポットは、70℃以上のお湯をすぐ用意できれば、なくても大丈夫です。判断の軸は価格や置き場所ではなく、粉ミルクを溶かすのに必要な「一度沸騰させた、70℃以上のお湯」をどう用意するかにあります。

この条件を満たすお湯を用意できれば、専用のポットである必要はありません。家にある電気ケトルと、沸かしたお湯を入れておく魔法瓶の水筒があれば十分に代わりになります。

調乳ポットがしていることは70℃以上のお湯を保つこと

調乳ポットがしていることは、一度沸かしたお湯を70℃以上に保っておくことです。粉ミルクは、70℃以上のお湯で溶かす必要があるからです。

粉ミルクは無菌ではないため、厚生労働省のガイドライン(PDF)では70℃以上のお湯を使うことでサカザキ菌などのリスクが劇的に減るとされています。そして70℃以上を保つために、沸騰させたお湯は30分以上放置しないことになっています。

調乳ポットは、こうした条件に合うお湯をいつでも使えるようにしておく道具です。これと同じことが別の道具でできれば、調乳ポットの代わりになります。

調乳ポットがあると楽になる家庭

調乳ポットがあると楽になるのは、夜中のミルクの回数が多い家庭や、寝室と台所が離れている家庭です。夜中、泣いている赤ちゃんを抱っこしながらお湯を取りに行くのは、なかなか負担ですよね。

70℃以上で保温できるポットがあれば、夜中にお湯を沸かす時間が短くなります。もし電気ケトルも持っていないなら、最初から調乳ポットを買うのも手です。

「買って後悔したくない」と迷うなら、すぐに買わなくても大丈夫です。産後にミルクの回数や家の間取りでの動線がわかってから、買ったほうが楽になりそうか決めてみてください。

調乳ポットの代わりになる道具

調乳ポットの代わりになる道具は、電気ケトルと魔法瓶の水筒です。特別なものを買い足さなくても、家にあるもので十分代用できます。

ミルクを作るときは、電気ケトルでお湯を沸かします。夜中に備えるなら、沸かしたお湯を魔法瓶の水筒に入れておきます。

粉ミルクをお湯で溶かしたあとは、一度沸かして冷ました湯冷ましを足すか、哺乳瓶ごと流水で冷まします。

電気ケトルはスイッチが切れるまで沸かす

電気ケトルでお湯を沸かすときは、スイッチが切れるまで待ちます。森永乳業では、電気ケトルならスイッチが切れるまで待つよう案内しています。

厚生労働省のガイドラインでも、電気ポットの場合はスイッチが切れるまで待つとされています。粉ミルクを1回作るお湯の量なら、電気ケトルでも短時間で沸きます。

沸かしたお湯を魔法瓶の水筒に入れておく

沸かしたお湯を魔法瓶の水筒に入れておくと、夜中に毎回お湯を沸かさずに済みます。夜中にお湯が沸くのを待つ時間は、とても長く感じますよね。

70℃以上を保てる魔法瓶の水筒にお湯を入れておけば、夜中の作業がひとつ減ります。森永乳業でも、外出時には70℃以上を保てる水筒のお湯を使うよう案内しています。

お湯を保温できる時間は水筒の製品ごとに違います。水筒の表示を確かめて、70℃以上を保てる時間内に使い切るようにしましょう。

魔法瓶のお湯が熱すぎるときの冷まし方

魔法瓶のお湯が熱すぎるときは、一度沸かして冷ました湯冷ましを足すか、流水で冷まします。保温力が高いと、「お湯が全然冷めなくて赤ちゃんを待たせてしまう」と困る場面がありますよね。熱いお湯で粉ミルクを溶かすこと自体は、70℃以上という条件を満たしているので問題ありません。

粉ミルクを溶かすお湯は、出来上がり量から計算して半分から3分の2程度を目安にします。明治や石巻市、森永乳業では、この割合が紹介されています。そのあと、残りの分量まで湯冷ましを足します。ビーンスタークでも、70℃以上のお湯を入れたあとに湯冷ましを加える方法が案内されています。湯冷ましの作り方や足し方の詳細は、湯冷ましの記事も読んでみてください。

それでも熱いときは、哺乳瓶の蓋より下の部分を流水か冷水、氷水に浸けて冷まします。最後に、腕の内側にミルクを数滴たらして、熱くないか確かめましょう。

調乳ポットや温度設定つきケトルの保温温度

調乳ポットや温度設定つきケトルの保温温度で使ってよいのは、一度沸騰させたお湯を70℃以上に保つ設定です。便利そうに見える温度設定機能にも、注意点があります。

沸騰させずに設定温度まで沸かすモードや、50℃や60℃の保温設定では、そのまま粉ミルクを溶かしてはいけません。使う前に取扱説明書を読んで、その設定が一度沸騰させてから保温するものかを確かめてみてください。

温度設定つきでも一度沸騰させてから保つ

温度設定ができるケトルやポットを使うときも、お湯は一度沸騰させてから70℃以上に保ちます。「沸騰させずに70℃まで沸かす」というモードで作っていいのか、迷いますよね。

明治のQ&Aでは、水道水は一度沸騰させ、70℃以上のお湯でミルクを作るよう案内しています。厚生労働省のガイドラインでも、電気ポットはスイッチが切れるまで、その他は完全に沸騰していることを確認するよう定められています。

70℃に設定するのは、最初から70℃にするためではなく、一度沸騰させたあとに70℃以上を保つためです。

50℃や60℃の保温で粉ミルクを溶かさない

50℃や60℃の保温設定では、そのまま粉ミルクを溶かしてはいけません。「50℃にしておけば、冷ます手間がなくて早いのでは」と思ってしまいますよね。

しかし、粉ミルクを溶かすお湯は70℃以上と決まっています。厚生労働省のガイドラインでは、50℃のお湯でミルクを作ると、直ちに消費しない限りリスクを最も増加させ、いかなる状況でもリスクを減らさないとしています。

ミルクを早く冷ましたいときは、溶かすお湯の温度を下げるのではなく、溶かすお湯を出来上がりの半分から3分の2にして残りを湯冷ましで足すか、哺乳瓶ごと流水で冷ましましょう。

調乳ポットはいらないかに関するまとめ

調乳ポットは、70℃以上のお湯をすぐ用意できるのであればなくても大丈夫です。判断の軸は、一度沸騰させた70℃以上のお湯をどう用意するかです。

手持ちの電気ケトルでお湯を沸かし、魔法瓶の水筒に入れて保温しておけば十分に代わりになります。ただし、夜中のミルクの回数が多い家庭や、寝室と台所が遠い家庭では、70℃以上で保温できるポットがあると楽になります。

温度設定ができるケトルやポットを使うときは、必ず一度沸騰させるモードを選びましょう。50℃や60℃の保温で粉ミルクを溶かすのは避け、熱すぎるときは湯冷ましや流水を使って冷ましてみてくださいね。