夜中の授乳のたびにミルクを作るのは、体力的につらいですよね。すでに作り置きをしている家庭も、これから始めようか迷っている家庭も多いと思います。
赤ちゃんのミルクは、毎回作ってすぐ飲ませるのが基本です。前もって作るなら、冷蔵庫で保存する場合と室温に置く場合とで、もてる時間が違います。
この記事では、作り置きしたミルクが冷蔵庫と室温でそれぞれ何時間もつか、「2時間」「24時間」をいつから数えるか、保存と温め直しの手順、作り置きを3時間たってから飲ませてしまったときの考え方、夜中の段取り、毎回作る手間を減らす工夫までを順に説明します。
ミルクの作り置きは冷蔵庫で24時間まで、室温では2時間で捨てる
赤ちゃんのミルクは、毎回作ってすぐ飲ませるのが基本です。
前もって作るなら、70℃以上のお湯で調乳したあとすぐに冷まし、冷蔵庫(5℃以下)で保存してください。そうすれば、調乳してから24時間まで置けます(厚生労働省のガイドライン)。
室温に置いたミルクは、調乳してから2時間以内に飲ませなかったら捨ててください。室温のまま何時間も置いておく作り置きはできません。
「2時間」「24時間」はどこから数えるか
ミルクの状態によって、時間の数え始めが変わります。次の表で、自分の状況に当てはめてください。
| ミルクの状態 | 数え始め | 使い切る時間 | 過ぎたら |
|---|---|---|---|
| 作ってそのまま室温に置いた | 調乳した時点 | 2時間 | 捨てる |
| 冷蔵庫で保存した | 調乳した時点 | 24時間 | 捨てる |
| 冷蔵庫から出して温め直した | 温め直した時点 | 2時間 | 捨てる |
冷蔵庫に入れた時点や、冷蔵庫から出した時点から数え直すことはありません。数えやすくするために、作った時刻を容器に書いておくと迷いません。
冷蔵庫に入れられないなら作り置きせず毎回作る
ガイドラインは、冷蔵できない場合は毎回調乳して直ちに飲ませるとしています。冷蔵庫が近くにない、または入れる場所がないなら、室温で置いておく作り置きはせず、そのつど作ってください。作り置きを避けたい場合は、夜中の段取りや、毎回作る手間を減らす工夫もあります。
暑い時期も時間の数え方は変えない
気温が上がると、今のやり方で大丈夫か不安になりますよね。
室温2時間、冷蔵24時間、温め直してから2時間という基準は、季節で延びたり縮んだりしません。「夏は◯時間」といった数値はありません。
暑い時期に不安なときは、室温に置かず冷蔵庫を使う、作ったらすぐ飲ませる、という基準の中で選んでください。湯冷ましを作り置きできる時間は、湯冷ましの記事で確かめられます。
ミルクを作り置きして冷蔵庫で保存する手順
作り置きを冷蔵庫で24時間まで保存するための手順を、作る、冷ます、しまうの順に説明します。
調乳したらすぐ冷まして冷蔵庫の奥に入れる
- 70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かします。
- 溶かしたらすぐに、哺乳瓶ごと流水に当てるか、冷水・氷水を張った容器に浸けて冷まします。水面は哺乳瓶の蓋より下にします。
- 蓋をして、冷蔵庫(5℃以下)の奥に入れます。扉のポケットは開け閉めで温度が上がりやすいので避けてください。
1回分ずつ哺乳瓶に分けて冷やす
ガイドラインは、冷蔵庫は調乳してから1時間以内に5℃未満まで下げられる能力を持つべきだとしていて、大きな容器でまとめて冷やすことは勧めていません。作り置きは、大きな容器にまとめて作らず、1回分ずつ哺乳瓶で作って冷やしてください。70℃以上のお湯で作っても、腐敗にかかわる菌が死滅しない場合があり、冷蔵の温度でも増えるので、冷蔵したミルクも24時間までで使い切ってください。
作り置きしたミルクは外出に持ち歩かない
調乳したミルクは栄養価が高く、雑菌が増えやすいため、前もって作って持ち歩くのはやめましょう。外出するときは、1回分ずつ量った粉ミルクと、70℃以上を保てる水筒のお湯、温度を下げるための湯冷ましまたは調乳用の水を分けて持ち、飲ませる直前に作ってください。湯冷ましの持ち運び方は、湯冷ましの記事で確かめられます。
作り置きしたミルクを温め直す方法
冷蔵庫で保存したミルクは湯せんで温め直します。温め直したあとは2時間以内に飲ませてください。
湯せんで15分以内に温め、電子レンジは使わない
- 冷蔵庫から出したミルクを、哺乳瓶ごとお湯に浸けます。電子レンジは加熱にむらができて一部が熱くなり、口にやけどを負うおそれがあるので使いません。
- 15分を超えて温めないようにします。
- 途中で哺乳瓶を軽く振って、温度をならします。
- 最後に腕の内側に数滴垂らし、熱くない(体温くらい)ことを確かめてから飲ませます。
温め直したら2時間以内に飲ませ、残りは捨てる
温め直してから2時間以内に飲まなかったミルクは捨ててください。飲み残しや、一度温めたミルクは、冷蔵庫に戻さずすべて捨てます。
作り置きのミルクを3時間たって飲ませてしまったとき
3時間たったミルクをどう考えるかは、どこに置いていたかと、何から3時間かで変わります。大切なのは、これからどうするかです。
| 置いていた場所・数え始め | 基準との関係 | 次にすること |
|---|---|---|
| 冷蔵庫で保存し、温め直してすぐ飲ませた | 保存の範囲内 | そのまま、次もいつもの手順で作る |
| 室温に置いていた | 2時間の基準を過ぎている | 残りは捨て、次の1本から手順に戻す |
| 温め直してから3時間たった | 2時間の基準を過ぎている | 残りは捨て、次の1本から手順に戻す |
冷蔵庫で保存して温め直してすぐ飲ませたなら、保存の範囲内
調乳したらすぐ冷まして冷蔵庫(5℃以下)に入れ、3時間後に取り出して温め直し、すぐ飲ませたのなら、冷蔵24時間、温め直してから2時間の範囲におさまっています。すぐに冷まさず室温に置いてから冷蔵庫に入れた場合は、冷蔵24時間の基準は使わず、室温に置いていた場合として考えてください。調乳してから2時間以内に飲ませ、過ぎていたら残りは捨てて、次の1本から手順に戻します。
室温に3時間置いていたなら、次の1本から手順に戻す
室温に3時間置いていた、または温め直してから3時間たったミルクは、2時間の基準を過ぎています。
残っていれば捨て、次の1本からは、室温なら調乳してから2時間以内、冷蔵なら24時間まで、温め直したら2時間以内という手順に戻してください。
飲ませたあと、機嫌や飲み方がいつもと違うと感じたら、かかりつけの小児科に相談してください。70℃未満のお湯で作ってしまったときの考え方は、別の記事で確かめられます。
夜中のミルクを作り置きで用意する段取り
夜中のミルクの用意は、寝る前に作り置きして冷蔵庫から出し、温め直す方法と、70℃以上のお湯をすぐ使えるようにしておいて、その場で作って冷ます方法の2つから選べます。
| 方法 | 前の晩の準備 | 夜中にすること | 守る条件 |
|---|---|---|---|
| 作り置きを温め直す | 1回分ずつ調乳してすぐ冷まし、冷蔵庫の奥へ入れておく | 冷蔵庫から出し、湯せんで温め直す | 温め直しは15分以内、電子レンジは使わない、温め直してから2時間以内に飲ませる |
| その場で作る | 粉ミルクを1回分ずつ量っておく | 70℃以上のお湯で溶かし、流水か冷水・氷水で冷ます | 沸かしたお湯は30分以上置かない、保温するなら70℃以上を保てるか確かめる |
寝る前に作って冷蔵庫へ入れ、夜中は湯せんで温め直す
寝る前に1回分ずつミルクを作り、すぐ冷まして冷蔵庫の奥へ入れておきます。
夜中は取り出して湯せんで15分以内に温め、電子レンジは使いません。腕の内側で温度を確かめ、温め直してから2時間以内に飲ませてください。
使わなかった分は、調乳してから24時間で捨てます。夜中にお湯を沸かさずに済みますが、湯せんのお湯を用意し、温まるまで待つ手間がかかります。
70℃以上のお湯を用意しておき、その場で作って冷ます
寝る前に粉ミルクを1回分ずつ量っておき、夜中は70℃以上のお湯で溶かして、流水か冷水・氷水で冷まします。お湯を出来上がりの量の一部にして、湯冷ましを足す方法もあります。湯冷ましの作り方や持ち運び方は、湯冷ましの記事で確認してください。
電気ポットや電気ケトルで沸かしたお湯は、30分以上置かずに使ってください。魔法瓶や調乳ポットで保温しておく場合は、70℃以上を保てるかを製品の表示で確かめます。調乳ポットについては、調乳ポットの記事で確かめられます。
ミルクの作り置きに頼らず毎回作る手間を減らす工夫
作り置きの時間や温め直しの手順を気にせずに済むよう、毎回その場で作る流れを短くする工夫を紹介します。どの工夫でも、粉ミルクを溶かすのは70℃以上のお湯です。液体ミルクを常備しておく方法もあります。使うときは、製品の表示に従ってください。
粉ミルクを1回分ずつ量っておく
粉ミルクは、表示どおりの量を正確に量ってください。多くても少なくても、赤ちゃんが体調を崩すことがあります。
自己判断で薄めたり濃くしたりしないでください。
前もって1回分ずつ清潔な容器に量っておく、または1回分ずつ固めたキューブやスティックタイプを使うと、作るときに量る手間が要りません。
使った哺乳瓶はすぐ洗って消毒しておく
次のミルクをすぐ作れるように、使った哺乳瓶と乳首は、次に使う前までに洗って消毒しておきます。熱い石鹸水とブラシで洗い、十分にすすいでください。消毒は、市販の器具を使うならメーカーの説明書どおりに、煮沸するなら沸騰してから5分から10分ほど行います。
70℃以上の温水が出るウォーターサーバーで作る
70℃以上の温水が出るウォーターサーバーなら、お湯を沸かしたり保温したりする手間がありません。その温水で粉ミルクを溶かし、流水で哺乳瓶を冷ませば、作り置きをしなくても夜中や忙しい時間にすぐ作れます。
温水の温度は機種によって違うので、70℃以上かどうかを取扱説明書やメーカー公式サイトで確かめてください。サーバーを使えば安全というわけではなく、作り方の基本を守ることが前提です。
詳しい作り方は、ウォーターサーバーでのミルクの作り方の記事で確かめられます。
ミルクの作り置きに関するまとめ
- ミルクは毎回作ってすぐ飲ませるのが基本です
- 作り置きするなら、調乳後すぐ冷まして冷蔵庫(5℃以下)に入れ、24時間までに使い切ります
- 室温に置いたミルクは、調乳してから2時間以内に飲ませなかったら捨てます
- 温め直しは湯せんで15分以内、電子レンジは使わず、温め直してから2時間以内に飲ませて、残りは捨てます
- 3時間たって飲ませてしまったときは、冷蔵庫か室温かで考え分け、次の1本から手順に戻します。いつもと様子が違うときはかかりつけの小児科に相談してください
- 夜中は、作り置きを温め直す方法と、その場で作る方法から選べます
- 粉ミルクを量っておく、哺乳瓶を洗っておく、70℃以上の温水が出るウォーターサーバーを使うといった工夫で、毎回作る手間を減らせます